週刊現代の記事について
先日、週刊現代からパーキンソン病について取材を受けました。ただ、完成した記事を読むと
「プーチンに、突如浮上した疑惑「パーキンソン病」とは一体どんな病気なのか…?」という見出しになっていて驚きました。
もちろん、私はプーチン大統領がパーキンソン病かどうかについて判断できる知識は持ち合わせていませんし、正直、映像で見る限りではそれ程パーキンソン病らしくはないと思います。取材内容もあくまでパーキンソン病についての一般的な内容でした。
実はヒトラーもパーキンソン病だったのではないかという説があります(もちろん証明されていませんが、ネットで検索すれば出てきます)。私が気になるのは、ヒトラーやプーチン大統領のように、その行動が我々にとって理解しがたい独裁者にパーキンソン病など何らかの病気のレッテルを貼ることにより、「彼らは病気なんだ、我々とは違うんだ、だからあんな異常なことを平気でするんだ」と自分を納得させてしまうことです。
パーキンソン病自体はありふれた病気ですし、ほとんどの人が普通の人です。罹病期間が長くなると薬剤性の幻視(まれに妄想)が出現しますが、これはあくまで薬の副作用です。
プーチン、ヒトラーに限らず有名人を直接診断せずに病気のレッテルを貼るということに対して、いつも医師として居心地の悪さを感じます。