新型コロナウイルスに感染した時に、薬局で買える薬
現在流行している新型コロナウイルスは100%オミクロン変異となっており、肺炎などを合併する人は希で多くの方は上気道炎症状が中心で入院する必要はありません。
高齢者や基礎疾患がある人に対しては、コロナウィルスの増殖を抑える飲み薬がありますがそれ以外方については、解熱剤や咳止めといった症状に対する薬を服用し自宅ないしホテル療養ということになります(こうした症状に対する治療をおこなうことを対症療法と言います)。
対症療法に使う薬は、特にコロナウィルス専用のものではなく風邪などに対して処方する薬と同じものです。クリニックでもそうした薬は処方しますが、同じ成分で薬局で買えるものも沢山あるのでご紹介します。
咳止め メジコン咳止めPro・・・医療機関で最もよく処方される咳止めの1つです。妊婦や授乳中の方も服用可能ですが、15歳未満は服用できません。市販の咳止めにはリン酸コデインという成分が含まれているものが多いようですが、私自身はあまり処方しません(続けて服用すると便秘することがあります)。リン酸コデインも12歳未満は服用できません。
喉の痛み 医療機関ではトラネキサム酸という薬を処方することが多いと思いますが、市販薬ではペラックT錠という薬に含まれています。ただ薬の効果は限定的です(すごく効いたという人はあまりいません)。バファリンに含まれているアセトアミノフェンやロキソニンなどの鎮痛剤もある程度は喉の痛みに有効です。また薬ではありませんが塩水によるうがいや蜂蜜も喉の痛みを和らげる効果があります。
解熱剤 バファリン、イブ、ロキソニンなど・・・解熱剤は鎮痛剤と同じ成分ですので頭痛や生理痛などに使う薬が使用可能です。
頭痛・・・やはりバファリン、イブ、ロキソニンといった通常の頭痛薬が有効です。
痰、鼻水の薬・・・L-カルボシステインという薬が痰や鼻づまりの切れを良くするために用いられます。ストナ去たんカプセルや去痰CB錠という薬にL-カルボシステインが含まれています。また鼻水に対しては抗ヒスタミン薬というアレルギー性鼻炎の薬を処方することもあります。市販薬ですと、アレジオンやアレグラがそれに相当します。
市販の総合感冒薬の中には、解熱、咳止め、痛み止め、抗ヒスタミンの成分が一緒に入っていますので、総合感冒薬でも良いと思います。ただし、それぞれの成分は少し少なめに設定されていることと、例えば鼻水がなくても、一緒に入っている抗ヒスタミンの成分も服用することになる点は注意が必要です。
下痢・・・即効性はありませんが、ビオフェルミンなどの整腸剤が有効です。
吐き気・・・医療機関ではドンペリドンやメトクロプラミドといった吐き気止めを処方しますが、同じ成分の市販薬はまだ存在しません。漢方薬の中には吐き気に有効なものもありますので、薬剤師さんに相談してみてください。
市販薬を服用しても症状がなかなか改善しない場合は、必ず医療機関に相談してください。
また、新型コロナウイルスに感染している方が直接薬局に薬を買いに行くことはできませんので、購入の際は家族など代理の方に依頼してください。
注)2022.8.25現在、アセトアミノフェンやメジコンなどの咳止め、トラネキサム酸といった薬は需要が大幅に高まったため全国的に品不足の状態です。当院でも薬品卸の会社にこうした薬を依頼しても、在庫がないと言われたり納入に時間がかかる状態です。ですから、このブログを読んで薬局に行っても手に入らない可能性があります。