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匂いと味覚の障害

[2020.04.29]
新型コロナウィルス感染症(COVID19)では、匂いや味が分からなくなる人がいると言われています。
当初このことが報告された時は、「風邪でも匂いや味が分からなくなることがあるので、意外ではない」といった意見がありましたが、その後、これらの症状がCOVID19にかなり特異的なものであることが分かってきました。
匂い、味がわからないと言ってもその程度はかなり強く、コーヒーの匂い。味がまったくしないレベルだそうです。
芸能人やスポーツ選手でCOVID19を発症した人でも、こうした匂い、味が分からなくなったと訴える人が多いと報道されています。
フランスからの報告ですが、COVID19の患者のうち、43%が味覚・嗅覚障害を訴えており、またこの両者がある人はCOVID19の可能性が非常に高いことが分かっています(1)。
また、味覚・嗅覚障害を訴える人は比較的若い人、女性に多いようです。
アメリカからは、味覚・嗅覚障害がある人はそうでない人に比べ軽症で、入院する可能性も1/10と低いことが報告されました(2)。
COVID19は、高齢者や男性で重症化しやすいので、味覚・嗅覚障害が若年者・女性に多いことを考えると、こうした人達に軽症が多いことはなるほどと思います。
一方、嗅覚障害がある人というのは、ウィルスが鼻腔に侵入した段階で患者の免疫反応が起きて匂いが分からなくなる一方、ウィルスが排除され肺など体の奥深くに入らないため軽症で済むのではないかという考えもあるようです。

1. Utility of hyposmia and hypogeusia for the diagnosis of COVID-19. The Lancet Infect Dis. 2020
2. “elf‐reported olfactory loss associates with outpatient clinical course in Covid‐19.International Forum of Allergy and Rhinology. 2020
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