なぜ片頭痛が見逃されるのか?
片頭痛は非常に多い病気で、国内でも800万人以上の患者さんがいると推定されれいますが、医療機関を受診しているにもかかわらず見逃され診断されていない人が大勢います。なぜ、このような事が起きるのでしょうか?私の経験では以下の理由が多いと思います。
1. 頭の両側が痛いので片頭痛ではない。
片頭痛というのは文字通り頭の片側の痛みであり、両側の痛みは片頭痛ではないと理解している医師は少なくありません。しかし、片頭痛患者さんの約40%が両側に痛みを訴えます。両側の痛みを片頭痛でないと言ってしまうと、40%の人を見逃してしまうことがあります。また右でも左でも無く、頭の後ろが痛いと言われる人もいます。
2. 肩こりがあるので片頭痛ではなく、緊張型頭痛。
これは、片頭痛が見逃される最大の理由のように思います。確かに、筋肉のこわばりによって起きる緊張型頭痛では肩こりが伴うことが多いのですが、実は片頭痛患者さんでも肩こりを持っている人が珍しくありません。頭痛が始まる前に、肩が張ったりこわばった感じがする人もいますし、片頭痛の発作が多く慢性的になっている人ほど肩こりはひどくなります。緊張型頭痛と診断され筋弛緩薬を処方されているのに、あまり効かないと言って受診される人は珍しくありません。
基本的には、頭痛が起きると寝込んだり、会社に行けなくなるような頭痛は脳出血のような特別なケースを除けばその多くが片頭痛です。
薬を飲んでいても頭痛がよくならない、頻回の頭痛のため困っているという方は一度受診してみてください。