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レビー小体型認知症の診断はなぜ遅れるか?

[2020.05.16]
レビー小体型認知症は、典型的であれば診断が容易な病気で、専門医でなくともわかることが多いと思います。
その一方、診断がなかなかつかない人がいます。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?その理由にはいくつかあると思います。

まず、病名に「認知症」という言葉が入っていますが、当初は認知機能の低下がそれほど目立たない人もいます。認知症にこだわると見逃すことがあります。
レビー小体型認知症といえば、幻視の症状が有名ですが、これも患者さんから訴えないことがります。家族と受診され診察室で「部屋の中に人の姿や動物など見えることがありますか?」と聞くと、患者さんが「実は・・・」と教えてくれて、そばにいたご家族は「今まで一度もそんなことは言わなかったのに」と驚かれることがあります。患者さんが幻視を訴えない理由として、当初は錯覚の一部として見える(例:女性が部屋に立っていると思ったら、ハンガーにかけてある自分の服だった)ことや、それほど気にしていない、他人には言いづらいなどが考えられます。
また、レビー小体型認知症で見られるパーキンソン症状も、典型的なパーキンソン症状ではないことも珍しくありません。パーキンソン病で見られる手の震えなどは、レビー小体型認知症ではあまり見かけません。レビー小体型認知症を疑う場合は、現在でも一人で外出できるのか、できないとすればいつ頃からなのか、最近よく転ぶことがないか?といった事を聞きます。この半年〜1年で、歩行機能が低下していたり、よく転ぶようになっていれば、レビー小体型認知症を疑います。
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