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マイコプラズマ肺炎が流行しています

[2024.07.20]

最近、新型コロナウイルス感染症がまた流行しているとメデイアで報道されていますが、マイコプラズマ肺炎も流行しています。

東京都のマイコプラズマ肺炎流行状況(赤線が2024年)

マイコプラズマ肺炎の原因は、細菌の一種である肺炎マイコプラズマという病原体です。

マイコプラズマ肺炎は子供から青年期に多く発症し、初発症状は発熱、倦怠感、頭痛ですが3-5日たつと乾いた咳が見られます(経過が長くなると痰混じりの咳に変わる)。咳はかなり強く解熱後も数週間続くことがあります。また喘息様の症状も見られることがあります。高熱が続く割には患者さんは元気なことが多いのですが、重症化することもあります。

マイコプラズマ肺炎は、夏季オリンピックがある年に周期的に流行すると言われていたのですが、近年はそれが当てはまらなくなっていました。ただ今年は夏季オリンピックがある年なので、また4年周期で流行するようになるのかもしれません。

聴診しても呼吸音は正常なことが多いのですが、レントゲンでは肺炎像が見られます。診断は血液検査、抗原検査、PCR検査がありますが、血液検査は1回の検査では診断がつかないこともあり、抗原検査は簡単ですが、コロナやインフルエンザの抗原検査に比べると精度がかなり落ちます(検査で陰性と出ても、間違っている可能性があるということ)。PCR検査は抗原検査に比べると精度は高いのですが、医療機関でできることろはまだ多くはありません。ただ、コロナ禍を契機にPCRの機械を所有している医療機関は増えたので(当院でも買いました)、マイコプラズマのPCR検査も普及していくかもしれません。

治療はマクロライド系抗生物質が有効なのですが、近年はこのマクロライド系抗生物質に耐性を示すものの割合が高くなっており注意が必要です。

インフルエンザやコロナと違って鼻水や喉の痛みが出ることは少なく、子供や若年者で熱と強い咳が続く場合はマイコプラズマ肺炎を疑う必要があります。

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