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片頭痛患者さんの経口避妊薬使用について

[2021.12.15]

片頭痛は若い女性に多い病気です。鳥取県大山町でおこなわれた調査では、30歳台、40歳台の女性では17-18%の方が片頭痛を有していたと報告されています。

片頭痛には大きく分けて前兆のある古典型と前兆のない普通型があります。前兆の90%以上は視覚症状であり、ギザギザした光が見えて徐々に大きくなり暗くなって消えてしまうという閃輝暗点が最も有名です。

最近、出産可能年齢(多くは20-30歳台)の女性の方で経口避妊薬を使用している方が増えています。ただ、注意していただきたいのは前兆のある片頭痛の患者さんが経口避妊薬を服用することはできません。その理由ですが、経口避妊薬は血液を固まりやすくする副作用があり、血管内で血液の塊(血栓)ができて脳の血管などが詰まることが希にあります。前兆のある片頭痛患者さんが経口避妊薬を服用すると、この血栓形成の危険が高まることが分かっています(血栓形成のリスクが7倍になるという報告もあります)。

前兆のない片頭痛患者さんではこのようなことはなく服用可能です。

片頭痛は閉経後に軽くなることが多く女性ホルモンとの関連があると言われています。では、前兆のない片頭痛患者さんでも経口避妊薬を服用すると片頭痛が悪化する可能性はあるのでしょうか?

経口避妊薬を開始した初期に頭痛がよく起こることが知られています。ただ、あくまで開始初期に限られており継続して服用した場合は頭痛が慢性的に悪化するようなことはないようです。

 

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