パーキンソン病の薬が効かない時
パーキンソン病の薬を服用しても効果が感じられないことがあります。
いくつかの状況が考えられますが、パーキンソン病と診断されて薬が始まっても効果が感じられない場合、下記の可能性があります。
1. 薬の量や種類が適切ではない。
エフピー(セレギリン)、アジレクト(ラサギリン)、トレリーフ(ゾニサミド)は単剤では効果の出現は緩徐ですから改善を感じにくい可能性があります。
パーキンソン病の薬は少量から開始して漸増していくのが原則ですが、十分な量まで増やされていないことがあります。
レボドパであれば、「効かない」と断言するためには1日450mgまで増やす必要があります。薬の効果は個人差がありますが、レボドパを450mg/日まで増やしても効果がまったくない場合は他の薬に変更しても効果が出ることは少ないと思います(絶対ではない)。
2. 実はパーキンソン病ではない
パーキンソン病といったん診断されても、実は進行性核上性麻痺や多系統萎縮症といった別の病気(いわゆるパーキンソン症候群)のことがあります。上記のようにレボドパを450mgまで増やしても効果がない場合は、心筋シンチやDATスキャンをおこない、パーキンソン病の診断自体を確認する必要があります。
3. 合併症がある
腰や膝が悪いといった整形外科疾患の合併や、初期から認知機能低下がある方は薬が効きにくい印象があります。
4. 薬で良くなる症状とそうでない症状がある
パーキンソン病の症状は様々ですが、振戦(ふるえ)はあまり良くならないことが多く、他にも、声の小ささや便秘、転びやすい、足がすくむといった症状は薬の効果が出にくい症状です。