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パーキンソン病の特定疾患(指定難病)の認定について

[2022.04.04]

パーキンソン病などの指定難病では、認定を受けることにより医療費の助成を受けることが出来ます。具体的にはその人の収入に応じて月の支払い限度額が設定されます。上限が月に1万円なら、それを超えた分が還付されます。ただし、あくまで対象はパーキンソン病に関連した医療費のみになります。

パーキンソン病の薬は高額なものが多いので、患者さんにとっては非常にありがたい制度です。ただし、パーキンソン病の方であればすべての人がこの助成を受けられるわけではありません。

具体的には「ホーン・ヤールの重症度分類 3度以上で、生活機能障害度 2度以上の方」が対象です。まずヤール重症度分類の3度というのは、症状が体の両側にあり、かつ姿勢反射障害があるというのが定義です。姿勢反射障害というのは体のバランスの異常という意味で、ちょっとしたことで体のバランスを失って転んだり、転びそうになるというものです。ただ、「じゃあどのくらいなら3度なの?」と聞かれると、後は主治医の判断になりますので多少は人によって判断する程度が異なります。

生活機能障害度2度というのは「日常生活や通院に介助を要する」程度です。もちろん全てに介助が必要でなくても良くて、例えば通院の往復だけ誰かに送迎してもらわないといけない、階段の昇降が怖いので外出の時に誰かに付き添ってもらわないといけないという事でも該当すると思います。

また患者さんからが「薬を使って症状が軽く抑えられているのだから、それをもって軽症だから該当しないというのはおかしいのではないか?」とご質問を頂いたことがあります。その場合は、薬が切れている自分の状態を動画に撮って主治医に見てもらうのも一つの方法です。

上記の条件に当てはまらないが、やはり高額な薬を使っていて負担が大きいという方の場合に、「軽症高額該当」という制度があります。具体的にはホーン・ヤールの重症度分類 1~2度、または生活機能障害度 1度でも医療費総額(10割)が33,330円を超える月が年間に3回以上ある方は助成対象となります。

詳しくは以下をご覧下さい。

指定難病患者への医療費助成制度のご案内(難病情報センター)

難病医療費助成制度(武田製薬)

また薬剤費が高額な場合は、できるだけ後発品(ジェネリック)を使うのが良いと思います。

パーキンソン病の薬で今のところ後発品がないものは

ドーパミンアゴニスト ニュープロパッチ、ハルロピ

MAO-B阻害薬 アジレクト、エクフィナ

COMT阻害薬 オンジェンティス

その他 トレリーフ

があります。

この中で、ハルロピはレキップCRと成分は同じです。レキップCRは後発品がありますし、効果自体もハルロピがレキップCRを上回るというエビデンスはありません。ただしレキップCRは錠剤で、ハルロピは貼付剤です。

アジレクト、エクフィナですが、同じMAO-B阻害薬のエフピーには後発品があります。両者ともMAO-B阻害薬としての効果は、エフピーを上回るというエビデンスはありません。

オンジェンティスですが、同じCOMOT阻害薬のエンタカポンには後発品があります。オンジェンティスの効果もエンタカポンを上回るものではありません。オンジェンティスは1日1回で良いというのが利点ですが、服用回数にこだわらないのであれば、エンタカポンの後発品の方が安くなります。

このように効果が同等であれば、後発品がある薬にするというのも医療費を抑える方法の一つです。

 

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