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糖尿病の薬で体重は減るのか?

[2020.06.19]

先日、このようなニュースが出ました。

糖尿病薬使うダイエットに警鐘 「副作用の恐れ」と医師会

糖尿病の治療薬であるGLP-1という薬をやせ薬として使ってダイエットを宣伝しているクリニックがあるということです。
GLP-1は糖尿病の薬で血糖値を下げると同時に体重を減らす効果があります。もちろんダイエットのための薬ではないので、糖尿病ではない人に使用することは危険が伴います。

では、この薬はそんなに体重が減るのでしょうか?

GLP-1製剤の代表的な薬にリキスミア、ビクトーザという薬があります。
製薬会社が出している治験時の情報を見ると
リキスミアを6ヶ月使用した場合、プラセボ群が0.93kg減ったのに対して、リキスミアは1.75kg減っています。
ビクトーザは日本では日本では1日0.9mgまでしか認められていませんが、米国では倍の1.8mg/日まで認められています。この高用量の1.8mgを26週投与しても平均の体重減少は3.38kgでした。

どうでしょうか?思ったほど減らないと思われた方が多いのではないでしょうか?
私自身の使用経験でも、体重が5%減れば良いかなという程度です。

ただ、糖尿病の治療薬には体重を増やしてしまう作用がある薬もあり(インスリン注射はそうです)、こうした血糖値を下げてかつ体重が増えない薬というのは糖尿病の患者さんにとっては非常に良い薬なのです。


Michal JarmolukによるPixabayからの画像
上野浩晶 GLP-1 受容体作動薬の体重減少効果 日本糖尿病学会誌 2017

 

 

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