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新型コロナウィルスワクチンについて(特徴と副反応)

[2021.06.24]

現在、日本国内に存在する新型コロナウィルスワクチンの一覧です。

製造会社/製品名

  接種場所
ファイザー/コミナティ mRNAワクチン 各自治体で使用
モデルナ/COVID-19ワクチンモデルナ mRNAワクチン 自衛隊による大規模接種センター、職域接種
アストラゼネカ/バキスゼブリア アデノウイルスベクターを用いたワクチン 国内未使用

副反応について

ファイザー社製のコミナティの場合、1回目より2回目の接種後の方が副反応が出現する割合が多くなっていますが、接種3日目にはほとんどの場合消失しています。

副反応 1回目 2回目
注射部位の痛み 82.7% 85%
倦怠感 18.7% 63.3%
頭痛 13.3% 47.6%
筋肉痛 37.3% 49.7%
関節痛 8.0% 32.0%
悪寒 5.3% 50.3%
38.0度以上の発熱 2.0% 40.1%

国内治験時のデータ

ちなみにアナフィラキシーショックは100万回接種あたり11.1例と報告されています(米国)。アナフィラキシーショックの原因は、ワクチンに含まれているポリエチレングリコール(PEG)なのですが、PEGは大腸カメラの前にのむ下剤や他のワクチンの一部に含まれていますので、大腸カメラの前にのんだ下剤やPEGが含まれているワクチンで重篤なアレルギーを起こした人はコミナティを接種することはできません。他の薬剤(抗生剤など)や食べ物でアレルギーをおこしたことがある人は接種は可能ですが、接種後30分間の待機が必要です(通常は15分)。花粉症や気管支喘息などアレルギー疾患があっても接種は問題ありません。

最近、コミナティを接種した人で若年者を中心に心筋炎(胸痛、胸部違和感、心電図異常など)症状をおこした人が報告されています。国内では970万人に接種して7人の報告があがっています。海外でも100万接種あたり2.8-16.1人の心筋炎の報告があり、数万接種に1回の頻度で発生するようです。ただし、ほとんどの人は軽症で数日から1週間程度の安静で軽快しています。

モデルナ社製のワクチンは効果、副反応ともにファイザーとほとんど同じですが、1回目の接種から1週間後に注射部位に腫れ、痛み、発赤がおきることが報告されており、2-15日間続くようです。こうした遅発性の副反応をおこした人でも2回目の接種の時には同じ事は起こらないようです。

日本では現在未使用のアストラゼネカ製のワクチンでは、接種後に血栓症(静脈内で血が固まる)が発生することが報告されています。頻度は100万接種あたり3.4人ですが、一方、避妊に使われている低用量ピルでも同じ血栓症のリスクがあります。低用量ピルの場合は、年間1万人あたり2-4人程度と言われていますので、アストラゼネカのワクチンと低用量ピルでは血栓症のリスクはそれ程変わらないとも言えます。ファイザーとモデルナのワクチンでは、血栓症の報告はありません。また、アストラゼネカのワクチンでも血栓症は主として若年者で報告されており、高齢者への接種は安全性が高いと考えられます。

 

そもそもワクチンとは何か?

かなり昔から、ある病気にかかった人はその後、同じ病気にかかりにくいという現象は知られていました。例えば、おたふくかぜ(ムンプス)やはしか(麻疹)にかかると、その後に再度かかることは滅多にありません。これは、あるウィルスに感染すると体の中にある免疫がそのウィルスを記憶するために、次にウィルスが体内に入ってもすぐにウィルスを撃退してしまうからです。免疫は個々のワクチンを記憶するために、例えばおたふくかぜにかかって免疫ができても、その免疫は麻疹には無効です。また終生続く免疫もあれば、インフルエンザウィルスや新型コロナウィルスのようにいったん感染して免疫ができても1年程度で消えてしまう場合もあります。

昔、天然痘という非常に恐ろしいウィルスによる感染症がありました。天然痘を発症すると全身に膿を含んだでき物ができて、20-50%の人が亡くなりました。古くから、この膿を健康な人に接種して軽い天然痘を起こさせれば、その後に天然痘にかからなくなることが知られていました。また、牛の天然痘に人間が感染すると人の天然痘にかかることがなく、牛飼いの間では天然痘にかかる人が少ないことが知られていました。このように、本当に感染すると恐ろしいけれど、何らかの方法で軽く済むように感染すれば体に免疫ができて感染を防ぐことができるという考えがワクチンです。つまりワクチンというのは、人為的に安全な方法でいったん感染をおこすという事なのです。ただ、安全といっても人工的に感染を起こしている訳ですから、どうしても副反応が出ます。しかし天然痘の場合、副反応が出たとしても本当に天然痘に感染するより遙かにましということです。

ワクチンが有効なのは、ほとんどがウィルスです。ウィルスというのは遺伝子を蛋白質の殻で閉じ込めたような構造をしており、体内の免疫がこの蛋白質を認識して免疫反応がおきます。ということは、ウィルス自体感染しなくても、ウィルスを形成する一部の蛋白質が体内に入って免疫反応が惹起すればウィルスそのものに対する免疫が生じることになります。ファイザーやモデルナのワクチンでは、ウィルスがもつ遺伝子(mRNA)の一部を体内に入れることにより、このmRNAからウィルスの蛋白質の一部が生成され免疫反応が惹起されます(mRNAは非常に不安定なので、体内ですぐに分解されます)。また、アストラゼネカのワクチンは、アデノウイルスというウィルスを無害化してその中に新型コロナウィルスのmRNAを入れています。

今回、こうしたウィルスの遺伝子を直接体内に入れるワクチンが開発された最大の理由は開発までの期間が短いためです。これまでのワクチン(インフルエンザワクチンなど)はウィルスを卵などで増やしてそれを精製して作っていましたが、この方法では開発までに数年かかります。ウィルスの遺伝子を直接使うワクチンのアイデアは以前からあったのですが、今回、非常事態となったために急遽実用化されたのです。

前述したように、ワクチンというのは人為的に感染を再現するわけですから、どうしても副反応が生じます。しかし、新型コロナウィルスワクチンについては、アストラゼネカのワクチンといえども副反応のリスクは実際に新型コロナウィルスに感染する危険よりも低いと考えられますし、ほとんどの人にとって接種するメリットのほうが大きいと思います。

 

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