メニュー

リウマチ性多発筋痛症という病気

[2021.04.22]

リウマチ性多発筋痛症(PMR)という病気があります。この病気の症状は非常に辛いものですが、少量の薬で劇的に良くなることが多く、患者さんから大変喜ばれる病気です。
ただ、この病気を知らない(あるいは診察経験が無い)と診断ができません。そのため、患者さんは診断がつくまでに、いくつかの医療機関を転々とすることが多いようです。”リウマチ”という言葉が入っていますが、いわゆる関節リウマチとは別の病気です。

PMRは50歳以上に発症し、肩や二の腕、太ももなどのこわばり、痛み、発熱(微熱程度のことも)、手足のむくみが生じます。特に痛みが非常に強く生活や仕事が大きく制限されてしまうことも珍しくありません。他にも、食欲低下、倦怠感、体重減少なども見られることがあります。

この病気の診断が難しい理由の一つは、検査であまり異常が出ないことです。患者さんは痛みのためにまず整形外科に行くことが多いのですが、レントゲンでは異常を認めません。身体のあちこちが痛いと関節リウマチを考えますが、関節の痛みと言うより筋肉の痛みであり多くの場合、整形外科では診断がつきません。熱やむくみのために内科を受診し血液検査をおこなうと、CRPや血沈という項目に異常が見られます。ただ、それ以外には異常が出ないためPMRのことを知らない医師だと、診断がつきません。

この病気を診たことがあれば、上記の症状があり血液検査でCRP、血沈の上昇があればPMRという病名をすぐに思いつきます。PMRは少量のステロイドが劇的に効きますので、試しに内服してもらい痛みが大幅に良くなればPMRという診断でほぼ間違いないということになります。

PMRに似た病気で、側頭動脈炎というものがあります。ステロイドの効果が思ったほどなければ、側頭動脈炎を疑います。また、PMRには希ですが癌を合併することがあるので、癌がないかどうかの検査もおこないます。

痛みというのは非常に一般的な症状ですが、PMRでは胸やお腹、背中、首から上が痛くなることはほとんどありません。また50歳未満で発症することは原則ありません。

PMRを専門とする科は、リウマチ・膠原病内科になりますが、私のような脳神経内科でも時々遭遇しますので治療をおこなっています。

発症は、50歳以上人口で1万人あたり2人とそれほど多くないようですが、診断できる医師が限られるため、それほど希な病気という印象はありません。上記の症状に当てはまり診断がつかずに困っている方は、ご相談ください。

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME