オンライン診療
新型コロナウィルス流行後から、スマホなどのビデオ通話機能を用いたオンライン診療に脚光が浴びるようになりました。それまでにもオンライン診療はあったのですが、初診の患者さんは対象外であったり(つまりそのクリニックに受診歴がない人はオンライン診療を受けられない)規制が厳しかったのですが、コロナ禍を契機として国は、初診からオンライン診療を受けることを暫定的に許可しました。
当院でも昨年末よりLINEドクターというオンライン診療の仕組みを導入しています。
しかし、まだまだ規制が多く、例えば初診の患者さんには1週間分しか薬が出せません。もちろん安全策として、一度も対面していない人には長期の薬を出さないようにするという意味合いがあるのですが、例えば花粉症の薬がが切れたから欲しいという方にとっては、1週間では短すぎることがあります。この方が、再度オンライン診療を受けてもやはり1週間分しか薬が出せません。
まだまだ、診療というのは原則、対面診療でありオンライン診療というのは、ごくごく限定的なものであるというのが国と医師会の考え方です。
では、再診はどうかというと、薬はもう少し長く出せますが、3ヶ月ごとには対面診療をおこなう必要があります。大学病院のようなところですと、1回の受診で3ヶ月分薬を処方することは珍しくありません。例えば、高血圧の方が薬をのんでいればずっと血圧が安定しており、仕事で忙しいからオンライン診療で薬がほしいと思っても、3ヶ月に1回は受診が必要です。
また、オンライン診療では直接の診察や検査はできませんから、「熱があるから診て欲しい」という方や、定期的に血液検査が必要な糖尿病のような病気は不向きです。
一方、数日分で良いので薬が欲しいという場合はオンライン診療が可能です。それ以外に、薬はともかく病気の相談をしたいという方もオンライン診療は適しているでしょう。会社の健診で数字がひっかかったのだけれど、再検査が必要か知りたいという場合も良いと思います。
中長期的には規制は緩和されていくと思いますが、まだまだ時間がかかりそうです。