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薬の開発・治験について(2020.10.23更新)
新薬ができるまでには長い時間と多額の開発費がかかります。まず研究者は実験室の培養細胞などを使って、新薬の候補を探し出します。次に、動物実験で安全性を確認し、人為的に病気を発症させたモデル動物に投与してみます。br> ここまでで薬の効果と安全性が確認できれば、健常者を対象に投与し人間での安全性を確認します(フェイズ1)。次に少数例の患者さんに投与をおこない(フェイズ2)、次の段階として多施設で大規模な二重盲検試験をおこないます。二重盲検試験では、参加患者さんを無作為に2グループに分け、一方には本物の薬(実薬)を、他方には偽薬(プラセボ)を投与します。どちらを服用しているかは、患者さん自身はもちろん医師も知りません。最終的に実薬群、プラセボ群の治療効果、副作用を解析し実薬群で有意に症状が改善していればはじめて薬を厚生労働省に申請することが可能になります。このように実薬とプラセボに分ける理由は、プラセボ効果というものがあるからです。私たちは、例え単なる小麦粉を固めた丸薬でも、「血圧を避ける薬ですよ」と言われ服用すると2-3割の人は血圧が下がります。その薬に本当に効果があるのかを証明するためには、プラセボを上回る効果がないとダメなのです。つまり、「患者さんに投与してみた→良くなった→この薬は効く薬だ!」ではダメなのです。

このように新薬の開発には非常に時間がかかります。フェイズ1から薬が市販されるまでには10年程度はゆうにかかりますし、途中のフェイズ2や3で開発が中止されることも珍しくありません。メディアなどで、「○○大学の研究室がパーキンソン病の新薬につながる可能性がある発見をした」と報じられることがありますが、こうした発見は新薬開発の最初の最初なのです。富士山登山に例えれば、麓の最寄り駅に到着したくらいの感覚で、そこから山頂までは長い道のりがあることは分かっていただけるかと思います。

こうした治験に患者さんが参加することはいくつかのメリットがあります。まず、新薬をいち早く使うことができます。現在使用している薬では症状が十分改善されない場合、新薬を試すことにより改善が得られる可能性があります。また、治験では、専門の医師が毎回詳しく診察をしますので、それによって良い効果を得られる可能性もあります。
ただし治験は先述したように二重盲検試験と言って、本当の薬(実薬)とプラセボ(偽薬)が用意され、どちらに割り当てられるかは分かりません。しかし、最近の治験ではプラセボが割り当てられても、その後に実薬を必ず服用できるようになっている場合も多いようです。日本における治験では参加者に金銭的な利益が得られることは少ないのですが、この治験というプロセスを経ないとどんな良い薬でも使えるようにはなりません。現在使用できる薬も、過去のいずれかの時点で患者さんたちが治験に参加すてくれたからこそ多くの人たちが使えるようになっています。興味のある方はご自分で治験情報を調べて参加してみてください。

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