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インフルエンザの薬を出すために検査は必要?(2020.09.18更新)
毎年冬になりインフルエンザが流行すると、多くの医療機関に発熱や咽頭痛の患者さんが受診し、鼻から綿棒を突っ込んでインフルエンザ検査をするというのが、ある意味風物詩になっています(今年はコロナの関係でどうなるか分かりませんが)。この検査はインフルエンザウィルスの抗原といってウィルスの蛋白質の一部を検出する検査です。そしてこの検査で陽性になると「はいインフルエンザですね、お薬出しておきましから安静に、登校・出社は解熱してから3日たってからです」と説明を受けます。では、検査が陰性だったら?

この広く用いられているインフルエンザ検査の精度は100%ではありません。実際にインフルエンザウィルスに感染していて、検査で陽性になるのは50-70%程度と言われています。時々、症状が出てから24時間以上たたないと検査で陽性にならないからと辛いのを我慢して翌日受診される人がいます(医療機関でも、「今日来ても検査できないから明日きてください」とおかしなことを電話で言うところがあります)。

しかし、発症して24時間経過しようが48時間経過しようが、陽性にならず見逃される人は一定数存在します。であれば、検査では無く症状で診断しても良いのではないでしょうか?

そもそも、問診と診察で診断をつけて薬を出す病気はたくさんあります。気管支喘息、アレルギー性鼻炎、うつ病などたくさんあります。インフルエンザだけ、検査に振り回される理由はありません。

ヨーロッパの研究ですが、インフルエンザ流行期に患者さんが咳、喉の痛み、鼻水、頭痛、筋肉痛、発汗/悪寒、疲労感などの症状を訴えた場合、検査をせずに無作為に2群に分けて片方にタミフルを服用してもらった場合、服用したグループの方が解熱する期間が早かったという研究が出ました。つまり検査をせずに症状だけでタミフルを処方しても効果はあるということです。

ただし、現在使用できる抗インフルエンザ薬の効果は、服用すると解熱が1日早くなる程度でそれ以上の効果ははっきりしていませんので、効果は限定的ですので若くで元気な人は必ずしも服用の必要はありません(家で寝ていてもあまり変わらない)。また新しい抗インフルエンザ薬のほうがよく効くわけでもありません。タミフルはジェネリックが出ていますし、効果は同じで一番安い薬です。

インフルエンザの診断で重要なのは、現在のどくらい流行しているのか(事前確率)、問診、所見です。


Alexandr LitovchenkoによるPixabayからの画像

インフルエンザワクチンの効果について(2020.09.18更新)
今年も10月からインフルエンザワクチンの接種が始まります。今年は新型コロナの関係で、多くの人が接種するように国も呼びかけていますが、これはインフルエンザと新型コロナが同時に流行すると医療体制に非常に負担がかかるためです。
では、インフルエンザワクチンはどの程度の効果があるのでしょうか?
高齢者(65歳以上)の場合、インフルエンザワクチンを接種することにより発症予防効果は35-55%、死亡抑制効果は82%程度という報告があります。したがってインフルエンザワクチンは特に65歳以上の方では、発症予防、重症化予防効果が強いことが分かります。高齢者の予防接種に対して補助が出ているのはそのためです。
ワクチンの効果は100%ではありません。時々、「ワクチンをうったのにインフルエンザにかかってしまった。もう来年からうたない。」と言われる方がいます。確かにインフルエンザワクチンをうっても、100%発症を予防できるわkではありません。またワクチンをうっても免疫のでき方は個人差があります。しかし、社会全体で見ると、より多くの人がワクチンを接種し免疫ができることにより、ワクチンをうっても免疫ができにくい人が守られることになります。ですから、ワクチンをうつという事は自分のためであると同時に、あなたの周りの友人や家族を守るためでもあります。これについては、以前のブログでも書きました。

またインフルエンザワクチンの摂取率が高い国ほど新型コロナウィルの流行が少ないというデータがあります。ひょっとしたらインフルエンザワクチンの接種は新型コロナウィルスにも多少は有効なのかもしれません。

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