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認知症の薬物治療

アルツハイマー病にはアリセプト(ドネペジル)、レミニール(ガランタミン)、リバスタッチパッチ・イクセロンパッチ(リバスチグミンパッチ)、メマリー(メマンチン)の4種類があります。この内、アリセプト、レミニール、リバスタッチパッチ・イクセロンパッチは同系統の薬で効果に差はありません。リバスタッチパッチ・イクセロンパッチのみが貼付剤(シール)なので、何となく他の薬より効果があるような印象を持っている方がいますが、基本的にはこの3種類の間で効果に差はありません。

メマリーだけが、中等度以上のアルツハイマー病の方が適応になっています。

では、アリセプトなどの治療薬を服用するとどの程度の効果があるのでしょうか?

実は、残念ながら服用しても目に見えて物忘れが減ったり良くなるという方はごく僅かです。

下の図は、アリセプトを服用した場合とそうでない場合の比較です。横軸は時間経過を、縦軸は認知機能の程度を示しています。赤線はアリセプトを服用した場合、青線は服用しない場合です。どちらも時間経過と共に右下がりになっているのが分かります。つまり、薬を飲んでいてもやはり時間とともに認知症は進行していくことを示しています。ただ、赤線の方は、最初だけ少し右上がりになっており、その後も線の下がり方は青線に比べ緩やかになっています。この赤線と青線の差が薬の効果ということになります。

スライド1

印象としては、多くの場合アリセプトなどの治療薬を使用していると最初の1-2年は進行は目立ちませんが、それを過ぎるとやはり進行が目立ってくることが多いようです。

副作用について

アリセプト、レミニール、リバスタッチパッチ・イクセロンパッチはアセチルコリンという物質を増やす作用があります。脳の中でアセチルコリンは記憶に関係する神経に必要な物質ですので、このアセチルコリンを増やすことにより認知機能の改善が見られます。その一方、このアセチルコリンの増加により副作用が出ることがあります。20人に1人程度で吐き気、食欲不振、下痢などの消化器症状、40-50人に1人くらいですが、イライラしたり夜に寝付けなくなったりすることがあります。また、滅多にありませんが失神を繰り返す方がいます。副作用はいずれも、薬剤の中止により数日で消失します。メマリーは20人に1人くらいですが、眠気や急に転びやすくなることがありますし、腎臓から体外に排泄される薬なので、腎臓の働きが低下している場合は量の調節が必要です。

BPSD(行動・心理症状)の治療

認知症では、認知機能低下以外に、易怒性、不安感、不眠、興奮、妄想、幻覚などの症状が見られることがあります。こうした症状に対しては個別に、抑肝散という漢方薬や抗てんかん薬、抗精神病薬を用いることがあります。いずれも、本来は認知症に使うための薬ではなく、特に抗精神病薬は副作用も強いことが多いため慎重な投与が必要です。

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